SSブログ
映画に学ぶ働き方、人事労務 ブログトップ

映画『ミセス・ハリス パリへ行く』に学ぶ、年を取っても魅力的な生き方をするには [映画に学ぶ働き方、人事労務]

 映画・動画鑑賞や読書が趣味ですが、最近は本当に便利な時代になりましたね。
ちょっとネットにポチっとつなぐだけで、懐かしい大好きな映画、観たかったけど
まだ観ていない映画、子供のころの大好きだったアニメなどが
好きな時に好きなだけ観れてしまいます。良き時代です。
 時間が許せば、ぼーっといつまでもつい観続けてしまいますが、最近になって、
国内国外問わず映画や昔のアニメに現代社会を生きるヒントや
現代の働き方、人事労務管理に大切なものがたくさん詰め込まれているように思いました。
 今年から、映画や昔のアニメを通して感じたことを感想として
(なるべく)定期的に記していきたいと思います。

さて栄えある第一弾に取り上げるのはイギリスの映画『ミセス・ハリス パリへ行く』です。
劇場公開は2022年11月でした。たまたま予告を観て、観に行きたいと思っていましたが、
行けなかった。それが何と今、PrimeVideoで見放題です。ありがたし。

映画の舞台は1950年代、第2次世界大戦後のロンドン。
主人公のミセス・ハリスは家政婦をしながら、戦争へ行った夫の帰りを一人待ち続けています。
子供は元々いない様子です。こう書くと、ミセス・ハリスは
日本社会では「=家族も無く孤独な老後を過ごす可哀想な人物」に捉えられがちですが、
そんなことはありません。心を許せる家政婦仲間の親友、何かと気にかけてくれる男友達がいます。
家事能力皆無の売れない女優、給料を平気で払わないが自分の贅沢には金を惜しまない金持ちマダム、姪と称する若い女たちと日替わりでデートを重ねる独身らしき(一応)紳士など、個性的な顧客に振り回され、少々疲れつつも、堅実に日々を過ごし夫の帰りを待っています。

 ある日、ミセス・ハリスは、金持ちマダムの家で勤務中、無造作に置かれたクリスチャン・ディオールのオートクチュールドレスに心惹かれます。給料は払おうとしないくせに、500ポンドもするドレスは「我慢できなかったの」とさらっと買う金持ちマダム。給料を払ってほしいというミセス・ハリスの訴えにも、平気で聞こえないふりをします。腹立たしいですが、この時からミセス・ハリスの胸にある目標が生まれます。

「500ポンドを貯めてパリへ行き、クリスチャン・ディオールのドレスを買うわ」

 その日からお金を貯めるべく、生まれ変わったようなミセス・ハリスの努力奮闘と、
念願叶ってパリへ行ってからの大活躍と彼女が起こす奇跡の数々については
実際に映画を観ていただけたらなと思うので割愛します。

 ミセス・ハリスはいわゆる「おひとり様」ですが、日本での悲観的なイメージなどは微塵もありません。自分が食べてゆけるだけの仕事をきちんとして、友達にも恵まれ、真面目に毎日を生きています。生死の分からない夫を待っているからというのもありますが、最初は、閉塞感に包まれて
暗くふさぎ込んでいるような、ミセス・ハリスに対する印象がたしかにありました。
が、そんな彼女をがらりと一変させたのが「目標」だったのです。

 お金を貯めてパリへ行き、ドレスを買う。ただそれだけのことかもしれません。
ですが、ミセス・ハリスの目は別人のように輝きを増し、閉じこもった殻を打ち破るかのように
生き生きと行動をし始めます。
 
 いざ念願のパリへ。数々のラッキーがクリスチャン・ディオールのドレス制作のチャンスへと
ミセス・ハリスを導きます。

 ところが、このクリスチャン・ディオールが一企業として抱える問題や、
ディオールで働く社員やモデルが抱えるそれぞれの悩み、葛藤が、
日本の現代社会の会社や会社で働くサラリーマンたちの、自分の本当の夢は何か?
この仕事は本当に自分の向いているのかといった、悩む姿ととても似通っているのです。

 ディオールは、毎年新作ドレスを何10着か作り、新作お披露目のファッションショーに
顧客を招待します。その顧客というのが、伯爵とか市長夫人とかパリの名士ばかりです。
いわゆる金持ち階級です。金持ちしか招待されず、招待状が無ければ鑑賞はもちろん、
ディオールの建物内に入ることすら許されない特別なファッションショー。
煌びやかで豪華絢爛なショーに、顧客は一喜一憂し、気に入ったドレスをそれぞれ注文します。
ディオールと顧客との間で契約が成立すれば、ディオールはその顧客の体のサイズを測り
ドレスを一から制作するのです。これぞオートクチュール、この世に一点しか存在しない、
その人しか着ることができないその人のためのドレス。なんて贅沢。
これ以上の贅沢が他にこの世に存在するのでしょうか。

 超贅沢商売ですが、ところが収入源がこれだけなので、毎月の固定収入がありません。
このままの状態を続けると、ディオールはいつか衰退してしまう。
会計係の若い男性社員はこのままではいけないと危機感を抱き焦りますが、
やり手の女支配人は、これぞクリスチャン・ディオールのあるべき姿と、変化を好みません。

 少しだけネタバレしてしまうと、ミセス・ハリスが本当に欲しかったドレスは、
意地の悪い市長夫人に横取りされてしまいます。が、パリでもミセス・ハリスは実に楽しそうに
生き生きと振る舞い、ディオールの人たちを良い方向にどんどん変えてゆきます。

 ミセス・ハリスのドレスは無事できあがるのか、ディオールの行く末はどうなるのか。
結末は映画を観てのお楽しみです。

 見どころ満載の素敵な映画ですが、ファッションショーのシーンは必見です。優雅でオシャレ、
美しい数々のドレスとそれらを着こなすモデルたちの美しさにため息しか出ず、
ワクワクドキドキが止まりません。その場所に漂う香りすら嗅ぐことができるような
気持ちになります。ディオールのドレスを自分が買うことはありえませんが、
一生の憧れではありますね。

 原作小説が発表されたのは1958年。作者はポール・ギャリコ。アメリカ人です。調べると、
ミセス・ハリスの小説はシリーズ化されているようで、他にもモスクワなどに行って
活躍する小説もかかれているようです。

 良作は、時を経ても色あせることはありません。

https://eiga.com/movie/97541/

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9F%E3%82%BB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%80%81%E3%83%91%E3%83%AA%E3%81%B8%E8%A1%8C%E3%81%8F-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%B3/dp/4041130247/ref=sr_1_2?crid=Z5FVSOMR3CZH&keywords=%E3%83%9F%E3%82%BB%E3%82%B9+%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%91%E3%83%AA%E3%81%B8%E8%A1%8C%E3%81%8F&qid=1704272175&sprefix=%2Caps%2C641&sr=8-2


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事
映画に学ぶ働き方、人事労務 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。